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鈴木 覚; 河村 雄行*
JNC TN8400 2001-005, 41 Pages, 2001/04
水-粘土混合系の分子動力学計算によりNa型スメクタイトの層間水の振動スペクトルと層間水の構造の関係について研究した。得られた計算結果は、赤外分光法によるスメクタイトの層間水の観察結果とよい一致を示した。水分子の分子内振動スペクトルは水素原子の速度自己相関関数をフーリエ変換することにより得られる。層間水の伸縮振動スペクトルには、3400cm-1に最大強度を持つ幅の広いピークと3650-3700cm-1周辺のやや鋭いピークにより構成される。前者の幅広いピークはバルク水のような水分子のO-H結合の伸縮振動に帰属され、一方、後者のピークはシロキサン表面に水素結合により配向したO-H結合に帰属される。酸素-酸素間の動径分布関数より水素結合距離を評価したところ、水分子とシロキサン表面の水素結合距離(3.0以上)は、水分子-水分子間のそれ(2.8)よりも大きいことがわかった。これらの結果は、水分子とシロキサン表面間の相互作用は、水分子を配向させる程度には大きいが、水分子-水分子間と比べると弱いということを示していると考えられる。
斉藤 淳一; 青砥 紀身; 天藤 雅之*
PNC TN9410 97-101, 36 Pages, 1997/10
一般に状態図はある温度での化合物の存在状態(固体、液体および固体+液体)を知るのによく使われている。主要なナトリウム化合物(Na2O, Na2O2 およびNaOH)による高速増殖炉(FBR)用構造材料の腐食挙動を理解するために、これら化合物の状態図を把握することはたいへん重要である。しかし、本研究で対象としている系では、これまでNa2O-NaOH系状態図が調べられているが、それ以外の擬2元系および擬3元系状態図の研究はない。 本研究ではそれらナトリウム化合物の存在状態を明らかにするために、擬2元系および擬3元系状態図の作成を試みた。示差走査熱量計(DSC)を用いて2成分および3成分系の一連の熱分析を行った。その結果、状態図を作成するのに有効な情報である液相線温度および3元共晶点が得られた。これらDSC測定結果に基づき、熱力学計算ソフトThermo-Calcの相互作用パラメータを最適化することにより正確な擬2元系および擬3元系Na2O-Na2O2 -NaOH状態図を提示できた。
福田 敬則*; 大嶋 巌*; 大田 裕之; 村山 志郎*; 中村 武則*; 伊藤 健司
PNC TJ2164 97-004, 38 Pages, 1997/10
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永江 勇二; 吉田 英一; 古川 智弘; 青砥 紀身
PNC TN9410 97-092, 87 Pages, 1997/07
本試験は、「もんじゅナトリウム漏えい事故」における炭素鋼材損傷の原因究明の一環として、高温化学反応による炭素鋼の損傷機構に関するデータを基礎的実験から取得し、現象解明することを目的としている。本報告では、試験後の金属組織観察を行い、炭素鋼の損傷状況について検討した。試験は、アルゴンガス流中、単独Na化合物試薬(Na2O,Na2O2,NaOH)を用いて6001200の温度範囲で行われた。組織観察の結果、試験条件によっては試薬に接していた炭素鋼表面に孔が観察され、選択的な反応を生じていることが分かった。選択的な反応は、試薬と炭素鋼との反応後に起きると考えられ、高温で晒されている時間が長いと顕著になる。炭素鋼と反応生成物の界面の組成分析の結果、反応生成物中には炭素鋼に比べてMn濃度の高い場所が観察された。